CT検査やPET検査よりも何カ月も早く、血液検査で肺がんの再発を検知できる可能性があることが、新たな研究で示された。
今回の研究では、ステージ2~3の局所進行性非小細胞肺がん(NSCLC)の成人患者48人を対象とした。患者の年齢は31~84歳で、全員が化学療法と放射線療法を受けていた。治療前、治療中、さらに治療後2年間の追跡期間中に6回、対象者の血液を採取し、循環血中の腫瘍細胞の値が上昇していないかを調べた。この血液検査によってCT・PETよりも平均6カ月早く、肺がんの再発を検出できることがわかった。
この研究は、米サンフランシスコで3月16~18日に開催された米国放射線腫瘍学会(ASTRO)会議で3月16日に発表された。学会発表された研究は査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。
研究の筆頭著者である米ペンシルベニア大学医学部(フィラデルフィア)放射線腫瘍学研究フェローのChimbu Chinniah氏は、「早期の診断により、患者の予後や生活の質(QOL)を向上させるための代替療法やサルベージ療法を適切に選ぶ時間的余裕が得られる。特に、患者の腫瘍量が小さく、治療に反応する可能性が高い場合、再発の発見が早いほど治癒率も向上すると思われる」と示唆している。
研究の上席著者である米メリーランド大学医学部(ボルチモア)放射線腫瘍学准教授のCharles Simone II氏は、「局所進行性NSCLCの診断・予後判定ツールとして、将来的には循環血中の腫瘍細胞を利用できる可能性が高い。今後も、CTやPETなどの画像検査が治療後サーベイランスの要であることに変わりはないが、血液検査の併用により改善が得られるだろう」と話している。
(HealthDay News 2017年3月20日)