牛乳の代わりに豆乳やアーモンドミルクを飲んでいる子どもの身長は、牛乳を飲んでいる子どもよりもわずかに低いことを示唆する研究結果が報告され、「American Journal of Clinical Nutrition」オンライン版に6月7日掲載された。
研究を実施したセント・マイケルズ病院(カナダ)小児科医のJonathon Maguire氏らによると、こうした“代替ミルク”を1日にコップ3杯分飲んでいる3歳の子どもの身長は、同量の牛乳を飲んでいる同年齢の子どもと比べて1.5cm低かったという。
牛乳を飲むと身長が伸びると考えられているが、最近は健康的なイメージを持たれることの多い豆乳やアーモンドミルクなどを“代替ミルク”として子どもに与える親が増えている。そこで同氏らは今回、カナダの2~6歳児5,034人を対象に代替ミルクの摂取が身長に影響するのかを分析した。
その結果、代替ミルクの摂取量の増加は身長の低下に関連していた。1日当たりの代替ミルクの摂取量が1杯増えると、身長が0.4cm低くなった。一方で、1日当たりの牛乳の摂取量が1杯増えると、身長が0.2cm高くなった。
ただし、親によるミルクの選択が身長差の原因だと証明されたわけではなく、子どもたちの食生活が全体的に異なっていた可能性もあるという。しかし今回の研究では、全般的な食事内容や代替ミルクの種類については調査していない。
研究には関与していない専門家である米ニクラウス小児病院のErin Corrigan氏は、この点を指摘した上で、「なぜ代替ミルクを飲んでいたのか、その子どもの家庭がベジタリアンやヴィーガンなのかは不明だ。一部の子どもでは、全般的な食事の量が足りていなかった可能性もある」との見方を示している。
一方で、「豆乳を除くと、動物性でない乳製品には蛋白質がほとんど含まれていない。また、脂質もココナツミルク以外の代替ミルクでは少ない。このことは、成人には良いが子どもには適切ではない」と、同氏は説明している。
Maguire氏も「代替ミルクを選ぶなら、親は栄養表示ラベルを必ず確認し、常に子どもの食事に十分な蛋白質や脂質などの栄養素が含まれているか注意を払う必要がある」と強調。「代替ミルク製品の宣伝文句がどのようなものであっても、親は代替ミルクが牛乳よりも“健康的”だと思い込まないようにすべきである」としている。
(HealthDay News 2017年6月7日)