資料請求・お問い合わせ
  • 世界の健康情報
  • よくあるご質問
  • オンラインストア

お問い合わせ(一覧)

中年期の起立性低血圧が後の認知症リスクに関連

 立ち上がるときに一時的な血圧低下によるめまいが起こる中年成人は、後に認知症になるリスクが高い可能性のあることが、新たな研究で示唆された。このような急激な低血圧発作は起立性低血圧と呼ばれ、これにより脳への血流が低下し、持続的な障害が残る可能性があると、米ジョンズ・ホプキンズ大学ブルームバーグ公衆衛生学部の研究グループは報告している。

 今回の研究では、成人1万1,500人以上(平均年齢54歳)を20年以上追跡し、そのデータを分析。追跡開始時に起立性低血圧のあった人は、それ以外の人に比べて認知症を発症するリスクが40%高かった。また、認知機能低下のリスクも15%高いことがわかった。ただし、今回の研究では因果関係は明らかにされていない。

 「発作は一時的なものだが、長期的な影響をもたらす可能性がある」と、研究を率いた同大学疫学部のAndreea Rawlings氏は述べ、「これは重大な所見であり、何が起こっているのかをもっとよく理解する必要がある」と付け加えている。起立性低血圧が他の基礎疾患の徴候であるのか、それとも血圧低下そのものが認知機能低下の原因となっているのかは不明であると、研究グループは話す。

 「認知機能の低下と認知症の危険因子を特定することは、疾患の進行を理解するために重要なことであり、最も危険な因子を特定できれば予防や介入措置の戦略に役立つ可能性がある。これは研究を進める価値のある因子の1つである」と、Rawlings氏は述べている。

 この知見は、オレゴン州ポートランドで3月7~10日に開催された米国心臓協会(AHA)のEpidemiology and Prevention/Lifestyle and Cardiometabolic Health 2017会議で3月10日に発表された。学会発表された知見は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなす必要がある。

 米国では400万~500万人が認知症に罹患していると推定され、その数は人口の高齢化とともに増加することが予想されると、研究著者らは指摘している。

(HealthDay News 2017年3月10日)

戻る