本記事では、厚生労働省がマイナ保険証の利用促進を目的に提示された、マイナ保険証の利用増加率に応じて支...
【調剤報酬改定2024】調剤基本料・地域支援体制加算の見直しについて
更新日:2024年2月21日
本記事では、調剤報酬改定「答申」を踏まえて、「調剤基本料に関わる改定内容」についてご案内します。数多くある対応…何がどう変わったのか、新しく加わったのか、整理し難いのではないでしょうか。今後の薬局業務に是非お役立て下さい。
※本記事の情報は、2024年2月14日時点の情報を元にしています。
調剤基本料の見直し
調剤基本料変更のポイント
地域医療に貢献するために必要な設備・体制を整えること、職員の賃上げ実施、などを背景に調剤基本料等の評価が見直されます。オンライン資格確認などの医療DXへの体制を評価する項目も設けられました。
改定後 | |
調剤基本料1 | 45点 |
調剤基本料2 | 29点 |
調剤基本料3 イ | 24点 |
ロ | 19点 |
ハ | 35点 |
特別調剤基本料A | 5点 |
特別調剤基本料B | 3点 |
調剤基本料2施設基準の変更点
・1ヶ月における処方箋の受付回数が 4,000回を超え
・処方箋受付回数が多い上位3つの保険医療機関に係る
処方箋による調剤の割合の合計が7割を超える
・特別調剤基本料の算定要件
A:特別な関係を有している医療機関からの処方箋調剤の割合が5割を超える
B:調剤基本料に関わる施設基準の届出を行っていない
※特別調剤基本料Aは、地域支援体制加算、後発医薬品調剤体制加算、在宅薬学総合体制加算が10/100に。連携強化加算(条件有)や、かかりつけ薬剤師指導料の特定薬剤管理指導加算2と吸入薬指導加算、服用薬剤調整支援料2、外来服薬支援料などの算定不可項目も有ります。特別調剤基本料Bでは、調剤基本料すべての加算や調剤管理料、服薬管理指導料等に算定不可が設けらます。また、どちらも7種類以上の内服薬の調剤を行った場合は、薬剤料の減額(90/100)が行われます。
連携強化加算の施設基準見直し
施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局:2点→5点
地域支援体制加算は要件に求められません。(特別調剤基本料Bは算定不可)
※特別調剤基本料A:外来感染対策向上加算又は感染対策向上加算の届出を行った保険医療機関からの場合は算定不可
特別調剤基本料B:算定不可
[施設基準]
・「第二種協定指定医療機関」として都道府県知事の指定を受けた保険薬局(詳細の算定要件別途規定)
・災害の発生時等において、他の保険薬局等との連携により非常時対応に必要な体制が整備されている
・情報通信機器を用いた服薬指導を行う体制が十分に整備されている
経過措置:令和6年3月31日において連携強化加算の届出を行っている場合、令和6年12月31日までの間、施設基準を満たしているものとみなす。
地域支援体制加算の見直し
地域支援体制加算減点、要件1への厳格化
大きな違いは地域支援体制加算1の要件です。2023年11月の財政制度等審議会「秋の建議」では、外来服薬支援料、服用薬剤調整支援料、服薬情報等提供料、連携会議への出席の実績が少ない状態でもそれ以外の要件を満たしている薬局が多く、要件が機能していないと指摘されていました。今回の改定で見直され、より「地域医療への貢献」が求められる評価となりました。
点数変更 | ア 地域支援体制 加算1 | イ 地域支援体制 加算2 | ウ 地域支援体制 加算3 | エ 地域支援体制 加算4 |
点数 | 39点→32点 | 47点→40点 | 17点→10点 | 39点→32点 |
施設基準 (回数要件) | ①時間外・夜間休日対応 | ②麻薬調剤実績 |
| ④かかりつけ薬剤師・包括管理料 |
基本料1/ 基本料1以外 | 40回/400回 | 1回/10回 | 20回/40回 | 20回/40回 |
⑤外来服薬支援料1 | ⑥服用薬剤調整支援料1 | ⑦単一建物の在宅・居宅の指導料 | ⑧服薬情報等提供料に相当する実績 | |
基本料1/ 基本料1以外 | 1回/12回 | 1回/1回 | 24回 | 30回/60回 |
|
| |
基本料1/ 基本料1以外 | 1回 | 1回/5回 |
地域支援体制1:④かかりつけ薬剤師・包括管理料 を含む3項目以上
地域支援体制3:④かかりつけ薬剤師・包括管理料、⑦単一建物の在宅・居宅指導料 を含む3項目以上
地域支援体制2、4:8項目以上
直近1年間の処方箋受付回数1万回当たりの実績、多職種連携の会議は年間回数
施設基準(他新設項目抜粋)
夜間、休日を含む時間外の対応
・患者からの問い合わせに応じることができなかった場合は、速やかに折り返して連絡することができる体制が整備されていること
・休日、夜間を含む開局時間外であっても調剤及び在宅業務に対応できる体制
在宅実績
在宅の算定実績24回以上であること
※単一建物居住者2人以上含む
かかりつけ薬剤師
かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料に係る届出を行っていること
地域医療に関連する取組の実施
禁煙体制
・薬局が禁煙であること
・たばこや喫煙器具を販売していない
医薬品等の共有拠点としての対応
・集中率85%の場合、調剤した後発医薬品の割合が直近3月間70%以上の実績
・麻薬小売り業者の免許書特使、必要な指導を行う
・医薬品在庫の共有、融通対応
・取り扱う医薬品の情報提供が出来る
緊急避妊薬の備蓄
適切な相談、応需・対応し、調剤を行う体制を整備していること
OTC
要指導医薬品及び一般用医薬品を販売しており、健康サポート薬局の届出要件とされている 48薬効群の品目を取り扱うこと
新設:在宅薬学総合体制加算について
在宅患者調剤加算がレベルアップ
麻薬の備蓄や無菌製剤処理の体制、小児在宅医療の対応など、在宅訪問を行うための体制整備や実績に基づく薬局の評価が新設されました。これに合わせ、在宅患者調剤加算は廃止されます。
在宅薬学総合体制加算1 15点/在宅薬学総合体制加算2 50点
[算定要件](抜粋)
在宅薬学総合体制加算は、在宅患者に対する薬学的管理及び指導を行うにつき必要な体制を評価するものであり、在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料若しくは在宅患者緊急時等共同指導料又は介護保険における居宅療養管理指導費若しくは介護予防居宅療養管理指導費を算定している患者等が提出する処方箋を受け付けて調剤を行った場合に算定できる。ただし、「区分15在宅患者訪問薬剤管理指導料」の(4)において規定する在宅協力薬局が処方箋を受け付けて調剤を行った場合は、この限りでない。
→在宅患者の処方箋を受け付け、調剤した場合に加算できるもの
[施設基準]
在宅薬学総合体制加算1
・在宅患者訪問薬剤管理指導の届出を行う
・直近1年間の在宅訪問算定実績が24回以上
・開局時間外での対応体制が整備及びその周知
・在宅医療における研修計画、実施
・医療材料及び衛生材料の供給体制
・麻薬小売業者の免許取得、必要な指導を行うこと
在宅薬学総合体制加算2
・在宅薬学総合体制加算1を満たす
・2名以上の保険薬剤師が勤務し、開局時間中は
常時調剤が出来る体制である
・高度管理医療機器の販売許可を得ている
・直近1年間で、かかりつけ薬剤師指導料及び
かかりつけ薬剤師包括管理料の算定回数が
24回以上であること。
・以下のアまたはイを満たすこと
ア
・医療用麻薬の備蓄が6品目以上(内注射剤1品目以上)であり、必要な指導を行える
・無菌室、クリーンベンチ又は安全キャビネットを備えていること
イ
・在宅患者訪問薬剤管理指導料の注5若しくは注6に規定する加算、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料の注4若しくは注5に規定する加算又は在宅患者緊急時等共同指導料の注4若しくは注5に規定する加算の算定回数の合計が6回以上
→在宅の乳幼児加算、小児特定加算の実績が6回/年以上
⁺α
<製品紹介> 在宅訪問にも力を入れたい・・・
レセコン・クラウド薬歴連携システム『P-CUBE+g』
iPadを使用したクラウド薬歴であるため、訪問先でも手軽に薬歴を作成・確認が出来ます。訪問先の通信環境が不安な場合は、事前にデータをダウンロードしておくことも可能(オプション)です。
新設:医療DX推進体制整備加算とは?
施設基準には“マイナ保険証の利用”や“電子カルテ共有サービスの活用”など
オンライン資格確認による薬剤情報等の活用推進、「医療DXの推進に関する工程表」に基づいた利用実績の評価、電子処方箋の普及などの、医療DXを推進する体制について新たな評価が設けられました。
医療DX推進体制整備加算(新設) 4点/月1回
[算定要件]
施設基準に適合しているとして、届け出た保険薬局において、調剤を行った場合。
※ただし、特別調剤基本料Bを算定する薬局は当該加算を算定出来ない
[施設基準] (経過措置:規程日までの実施を前提に算定)
・電子レセプトによる請求を行っていること
・電子資格確認を行う体制であること
・電子資格確認から得た情報を閲覧、活用し
調剤できる体制であること
・電子処方箋の受付体制(令和7年3月31日迄)
・電磁的記録による調剤録及び薬剤服用歴の
管理体制があること
・マイナ保険証の利用実績が一定程度有していること(令和6年9月30日から適用)
・電子カルテ情報共有サービスを活用できる体制であること(令和6年9月30日迄)
・医療DX推進の体制及び情報活用して調剤を行うことを店内掲示及びウエブサイトへ掲載していること(令和7年5月31日迄)
電子カルテ情報共有サービスとは?
「電子カルテ情報共有サービス」は、オンライン資格確認等システムを活用し、すべての医療機関・薬局で患者の電子カルテ情報(6情報)を閲覧できるサービスです。「医療DXの推進に関する工程表」では、2025年度から運用開始とされ、順次共有できる情報の拡大を検討されています。
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