本記事では、厚生労働省がマイナ保険証の利用促進を目的に提示された、マイナ保険証の利用増加率に応じて支...
診療報酬改定の議論の整理(案)の抜粋
更新日:2024年1月24日
令和6年1月10日に中央社会保険医療協議会による「診療報酬改定の議論の整理(案)」が行われ、診療報酬改定の大まかな方向性が示されました。本記事では、診療報酬改定の議論の整理(案)の抜粋からサイバーセキュリティ対策で見落としがちなポイントを掲載しています。
診療報酬改定の議論の整理(案)の抜粋
令和6年1月10日、中央社会保険医療協議会による「診療報酬改定の議論の整理(案)」が行われ、診療報酬改定の大まかな方向性が示されました。集中率の高い薬局の基本料の見直しや地域支援体制加算・施設基準の見直し、医療DXの利用実績に応じた評価、そしてかかりつけ薬剤師の要件の見直し など、ポイントは幅広くあります。加えて、医科側ではサイバーセキュリティ対策の整備に係る要件及び評価を見直すことも案として示されています。
「かかりつけ薬剤師の機能評価」・「充実した薬学管理の推進」
・薬学的管理の業務とその実態等を踏まえ、かかりつけ薬剤師の要件を見直す
・地域における医療機関と連携して行う、調剤後の薬学管理に係る評価を見直す
令和5年7月の医療機関への
情報提供の内訳
令和5年7月の医療機関への情報提供の内訳
フォローアップした情報の処方医等への情報提供の有無
フォローアップした情報の
処方医等への情報提供の有無
⁺α
医科側ではサイバーセキュリティの対策の評価も行われる
適切な診療記録の管理を推進する観点から、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を踏まえ、診療録管理体制加算について非常時に備えたサイバーセキュリティ対策の整備に係る要件及び評価を見直す。
サイバーセキュリティ対策で見落としがちなポイント
BCPの策定、訓練、脆弱性対策の実施
医療等情報利活用ワーキンググループにより昨年「病院のサイバーセキュリティ対策の実態に関するアンケート」が実施されました(調査期間:令和5年1月27日~令和5年3月15日)。その中でも、MDS/SDS*を用いた点検、BCP*策定、脆弱性対策(サイバーセキュリティの対策強化)などは対応率が低い状況であり、対策の際には注意すべきポイントになります。
※MDS/SDS…製造業者/サービス事業者による医療情報セキュリティ開示書 ※BCP…事業継続計画
サイバー攻撃に備えたBCPと訓練の重要性
現在のBCPは主に自然災害の対策として策定されるケースが多いため、原因・被害の期間、タイミング、対策が異なるサイバー攻撃に備えたBCPを策定する必要があります。また、サイバー攻撃によって個人情報が流出した場合などは、薬局が「加害者」になってしまう可能性もあります。
・サイバー攻撃によるシステム停止期間は1~2か月と長期化になる傾向。
・「実はウイルスにかかっていた」、気づきのタイミングが遅れる可能性。
・自然災害とは異なり、対策していなかった、では済まされない。「加害者」となってしまう恐れ。
実際に被害があった病院(発生時期2022年上半期)
深夜に、事務当直者から自分にランサムウェア感染疑いの旨の連絡があったが、直ちに、電子カルテベンダーのサポートセンターへの連絡と紙カルテの準備の指示を出した。(中略)復旧作業は実際とても大変だったが、災害等に備えて日頃から訓練はしており、ちょうどシステム障害を想定した訓練を2か月前にしたばかりだったので、何とかなるだろうと考えており、さほど慌てなかったのだと思う。
薬局がやるべきことは?
事前準備が重要です。最後にサイバーセキュリティ対策を行うため、薬局としてまずやるべきことは以下3点です。MDS/SDSはシステムベンダーからの入手が必要になります。また今後、立ち入り検査時には、チェックリストに基づいて確認が実施されるため、チェックリストの準備は勿論、運用管理規定の更新も合わせてを行う必要があります。(運用管理規程は個別指導時に確認が求められます。)
MDS/SDSを入手し、セキュリティ状況を知る
MDS/SDSを入手し、
セキュリティ状況を知る
サイバーセキュリティの
チェックリストで、どこまで対策ができているか確認
サイバーセキュリティの
チェックリストで、
どこまで対策ができているか確認
それらを踏まえて、運用管理規程を更新(発生時の対応や連絡先などフローの可視化)
サイバーセキュリティ対策で見落としがちなポイント
2023年4月から義務化されたサイバーセキュリティ対策。漠然と「対応しなければならない」と思いながら、何故行う必要があるのか、本質的な意味を薬局内で共有するのは難しいのではないでしょうか。実際のインシデント紹介から、サイバーセキュリティ対策の考え方についてまとめたお役立ち資料を公開しております。この機会にぜひご一読ください。