2024年度 診療報酬改定について

更新日:2023年12月26日

本記事では、『2024年度 診療報酬改定』をテーマに、調剤基本料や介護報酬の見直しについては勿論、「長期収載品(後発のある先発医薬品)と後発品の価格差における保険給付の見直し」などをご紹介いたします。

改定率は本体0.88%増(調剤は0.16%増)

12月20日、2024年度予算編成に向けての厚生労働省、財務省の大臣折衝において、2024年度診療報酬改定の改定率が本体0.88%増(国費約800億)に決まりました。看護職員・病院薬剤師などコメディカルの処遇改善などと特定的な対応を除く実質的な本体は+0.46%となり、この中に40歳未満の勤務医師・勤務歯科医師・薬局の勤務薬剤師、事務職員、歯科技工所等で従事する者の賃上げに資する措置分約0.28%が含まれます。

制度改革事項に「医療DXの推進」と「調剤基本料の適正化」
同じく大臣折衝においては、診療報酬に関する制度改革事項として「調剤基本料の適正化」が盛り込まれました。財務省の財政制度等審議会における「秋の建議」で示された、調剤基本料1の適用範囲見直し地域支援体制加算の要件追加、加えて敷地内薬局を運営するグループに対する一律引き下げなど、今後は中医協でも議論が進められることになっています。

医療制度改革 ~長期収載品の保険給付の見直し~

選定療養の仕組みは2024年10月より施行へあります
経済財政運営と改革の基本方針2023(骨太の方針2023)で示された薬剤自己負担の見直しから、長期収載品の保険給付の在り方の見直しとして「選定療養の仕組み」が議論されてきました。後発医薬品の上市後5年以上経過したもの又は後発医薬品の置換率が50%以上となったものを対象に、診療側の主張であった後発医薬品の最高価格帯との価格差の4分の3までを保険給付の対象とすることとし、令和6年10月より施行することに決まりました。

介護報酬改定について

居宅療養管理指導は6月施行の方針へ/介護負担割合2割は先送り
12月18日の社会保障審議会・介護給付費分科会において、2024年度介護報酬改定の施行時期について、居宅療養管理指導など4つのサービスが「医療機関と密接している」ため6月施行の方針案が示されました。また、同月20日の大臣折衝においては、介護保険の2割負担の対象範囲の拡大について先送りが決まりました。

居宅療養管理指導の見直し

・在宅で医療用麻薬持続注射療法を行っている患者に対して、注入ポンプによる麻薬の使用など在宅での療養の状況に応じた薬学的管理及び指導を評価する新たな加算。

・在宅中心静脈栄養法が行われている患者に対して、輸液セットを用いた中心静脈栄養法用輸液等の薬剤の使用など在宅での療養の状況に応じた薬学的管理及び指導を評価する新たな加算。

・心不全や呼吸不全で麻薬注射剤を使用する患者は頻回な訪問が必要となることから、週に2回かつ1月に8回を限度として算定することを可能とする。

・初回から情報通信機器を用いた居宅療養管理指導の算定を可能とする。

・訪問診療において交付された処方箋以外の処方箋に係る情報通信機器を用いた居宅療養管理指導についても算定可能とする。

・居宅療養管理指導の上限である月4回まで算定可能とする。

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